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有機化学の勉強法(その1)

 

Ⅰ.C、H、O でできた化合物を学ぶ。

1.アルカンを覚える。
2.アルコール→アルデヒド→カルボン酸の流れを理解する。
3.特異的な反応をおさえる。
4.構造異性体を特訓する。
5.エチレン・アセチレンの相関図を覚える。

 

 有機化学は覚えることがたくさんあります。たとえば、こんな正誤問題。

  

 「2-プロパノールは、ヨードホルム反応を示す」(2002 センター本試験 改)

 「エチルメチルエーテルと2-メチル-1ープロパノールは、互いに構造異性体の関係にある」(2007 センター本試験 改)

  

 覚えるものは覚えないと、絶対に有機化学は解けるようにはなりません。『有機は暗記』は真実です。覚えるのは大変ですけれど、化学で得点を取るためには避けては通れません。一方で、こんな声も聞こえてきそうです。

  

 「有機化学で暗記しているけれど、イマイチ点数が伸びない・・・」

  

 実際に、あり得ます。その理由は、「暗記した内容がうまく結びついていない」に尽きます。そこで、次に書かれている有機化学の勉強法を参考にしてください。

  

  

Ⅰ-1.アルカンを覚える。

 メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン・・・これらは”アルカン”というグループです。

 アルカンは、”鎖式飽和炭化水素”という大変分かりにくい別名があります。少し解説をしておきましょう。「鎖式」は、アルカンのかたちが鎖のようになっているから、そう呼びます。「鎖式」と対になるのが「環式」で、これも環(輪っか)になっているから、そう呼びます(ピンとこない人は電車の環状線をイメージしよう)。これらが理解できていなくても、有機化学の初期段階ではあまり困らないので心配しないでください。でも、アルカンの化学式は絶対に覚えてください。他の有機化合物の最も基本の型が、このアルカンです

  

  メタンCH4、エタンC2H6、プロパンC3H8、ブタンC4H10、ペンタンC5H12、ヘキサンC6H14

  

 よって、アルカンは一般式CnH2n+2(n=1,2…)と表されます。結合はすべて単結合です。結合の手はCが4本、Hが1本です(結合の手は価標といいます)。アルカンは、CとHがちょうど互いに1本ずつ結びついています。これがアルケン(一般式CnH2n)、アルキン(一般式CnH2nー2)だと話は変わってきます(後述)。

  

  

Ⅰ-2.アルコール→アルデヒド→カルボン酸の流れを理解する。

  

 アルコールは、アルカンの-Hの1つが-OHに換わっているものです。エタノールC2H5OHが最も有名です。エタンC2H6のかたちが少し変わると、エタノールC2H5OHです。物質名もエタンが少し変わってエタノールになっています。メタノールCH3OH、エタノールC2H5OH、プロパノールC3H7OH・・・等があります。    ちなみに、プロパノールC3H7OHには、2ープロパノール、2ーメチルー2ープロパノールの2種類があります。これは、『ーOHがつくCの位置』で決まります。命名法はここでは詳しく書きませんが、同じ分子式(化学式のようなもの)でも物質が異なるところがポイントです。第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコールと区別します。「値段のちがうアルコール?」などと勘違いしないでください。くり返しますが、同じ分子式で『ーOHがつくCの位置』で区別しているのです。

  

  第一級アルコール →(酸化)→ アルデヒド →(酸化)→ カルボン酸

  第二級アルコール →(酸化)→ ケトン

  第三級アルコール → 酸化されない

  

 アルコールはーOHをもつので、同程度の分子量の炭化水素(CとHでできているもの)やエーテルより著しく沸点は高いです。また、水にもよく溶けます。

  

  

Ⅰ-3.特異的な反応をおさえる。

  

  フェーリング反応、銀鏡反応が陽性 → アルデヒド

  ヨードホルム反応が陽性 → CH3ーCH(OH)ー もしくは CH3ーCOー

  金属Naと反応 → ーOH

  

 アルデヒド基は還元性があり、フェーリング反応、銀鏡反応が陽性になります。

  

  □ フェーリング反応…銅イオンCu2+が還元されてCu2O(赤色)を析出。

  □ 銀鏡反応…銀イオンが還元されてAgを析出。

  

   例)ホルムアルデヒドHCHO、ギ酸HCOOH、アセトアルデヒドCH3CHO

  

  ■ ヨードホルム反応…ヨウ素が水酸化ナトリウム水溶液を少量加えて温めると、黄色の沈殿(ヨードホルム CHI3)が生じる。

  

   例)エタノールC2H5OH、アセトンCH3COCH3、2-プロパノールCH3CH(OH)CH3

  

 特異的な反応は、それだけで一問一答の問題になりますし、「構造決定」といった難しい問題でも必要な知識になります。フェーリング反応、銀鏡反応、ヨードホルム反応は頻出反応です。また、「アルデヒドで酸性といえばギ酸HCOOH」もセンター試験ではよく出ます。

  

  

Ⅰ-4.構造異性体を特訓する。

  

 分子式が同じでも分子の構造がちがうのが、構造異性体。分子式C5H12には、ペンタン、2ーメチルブタン、2,2ージメチルプロパンと、3種類あります。分子式が同じでも分子の構造がちがう、これらを構造異性体といいます。

 他にも有名なものに、C4H10O(7種類)、C5H12O(14種類)などがあります。センター試験はもちろん、二次試験でも構造異性体はほとんどと言っていいほど出題されます。構造異性体を書くトレーニングは十分にやっておきましょう。※書き方のコツはいずれ書く予定です。

  

  

Ⅰ-5.エチレン・アセチレンの相関図を覚える。

  

 エチレンC2H4は二重結合、アセチレンC2H2は三重結合をもっているので、二重結合もしくは三重結合が切れて付加反応が起こります。早い話が、他のモノがたくさんくっつきます。エチレンの付加反応でできる化合物は、次のようなものがあります。

  

 クロロエタンCH3CH2Cl、ポリエチレン ー(C2H4)nー 、エタンC2H4、エタノールC2H5OH、  アセトアルデヒドCH3CHO、1、2ージクロロエタンCH2ClCH2Cl、1、2ージブロモエタンCH2BrCH2Br

  

 アセチレンの付加反応では、…

  

 ベンゼンC6H6、エチレンC2H4、1、2ージブロモエチレンCHBrCHBr、アセトアルデヒドCH3CHO

  

 これらの相関図を書けるようにしてください。やはり、センター試験から二次試験まで問われる知識です。全体像も見えるようになってきますし、付加反応の相関図を何回も書くことが大事になってきます。

  

  

  

 有機化学の勉強法はこれで全てではありません。土台作りの半分が完成といったところです。

芳香族化合物を学ぶ(有機化学の勉強法 step2)

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化学の勉強は難しくありませんが、計算も暗記も両方必要です。各分野の計算と暗記の区別を知らないといけません。大学入試問題を中心に解説します。センター試験、医学部受験まで対応していきます。このページでより良い化学の勉強法を学びましょう。