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有機化学の勉強法(その2)

 

Ⅱ.芳香族化合物を学ぶ。

1.ベンゼンは置換反応が起こりやすい。
2.官能基で性質が決まる。
3.酸の強さで遊離する。

  C6H6を「ベンゼン」といい、ベンゼン環を含む有機化合物を「芳香族化合物」といいます。芳香族とは消毒薬のにおいのことです。病院にいると、クレゾールやフェノールなどの消毒薬のにおいがしてきます。あの特殊なにおいがベンゼン環をもったものの特徴で、芳香族と呼んでいます。有機化学の後半は、この「芳香族化合物」のお話です。

  

  

 

Ⅱ-1.ベンゼンは置換反応が起こりやすい。

  

  ベンゼンの炭素の結合は安定していて、置換反応が起こりやすくなっています。ベンゼン環は壊れにくいのです。置換反応が起きると、以下のような化合物ができます。

  

  クロロベンゼン C6H5Cl、ブロモベンゼン C6H5Brベンゼンスルホン酸 C6H5SO3Hニトロベンゼン C6H5NO2

  

  このように、芳香族化合物はベンゼン環を型にして、いろいろなかたちがあります。また、高いエネルギーをかける(紫外線照射、高温高圧)と付加反応が起きます。

  

  ヘキサクロロシクロヘキサン C6H6Cl6ヘキサブロモシクロヘキサン C6H6Br6、シクロヘキサン C6H12

  

  

  

 

Ⅱ-2.官能基で性質が決まる。

  

  ベンゼン環を型にして、オマケがつくと新しいグループができます。このオマケを官能基といい、有機化合物の性質のほとんどを決定します。オマケと言っても侮れません。OHがついたフェノール類、COOHがついた芳香族カルボン酸、NH2がついた芳香族アミンなどです。これらの中でも特によく出てくるのが・・・

   

   フェノール C6H5OH、安息香酸 C6H5COOHアニリン C6H5NH2

  

  フェノールと安息香酸は酸性、アニリンは塩基性です。有機化合物の性質は、水溶性、融点などいろいろとありますが、「酸性か塩基性か、それとも中性か」を最初におさえておきます。有機化学では中和反応とエステル反応が多く出てきます。これらを理解するために、OHもしくはCOOHがついたものを最初にチェックしておきましょう。特に、OHとCOOHがついたサリチル酸C6H4(OH)COOHは要チェックです。

  

  「呈色反応」も最初におさえておきましょう。これだけでセンター試験の問題になっていますし、二次試験でも必要な知識の1つです。ベンゼン環にOHがついたフェノール類に、FeCl3水溶液(塩化鉄(Ⅲ)水溶液)を加えると呈色反応(赤~青紫)が見られます。各物質ごとの細かい色は覚えなくてよいです。

  

  官能基の性質はいろいろとありますが、これまでに説明した内容を最初にたたきこんでください。そして有機化合物の名前と化学式を覚えるときは、必ず官能基に注目してください。官能基による性質が問題集や参考書にまとめられています。「こういう性質があるから、こういう反応のときに話題になるんだな」という意識で臨むと、頭に定着しやすくなります。

  

  

  

 

Ⅱ-3.酸の強さで遊離する。

    

  「弱酸生成反応」というものがあります。弱酸の塩に強酸を加えると、強酸の塩と弱酸が生成します。たとえば、酢酸ナトリウムCH3COONaと塩酸HClの反応です。

  

  CH3COONa(弱酸の塩) + HCl(強酸) → CH3COOH(弱酸) + NaCl(強酸の塩)

  

  有機化学でも「弱酸生成反応」は大活躍で、センター試験はもちろん二次試験でも必須知識です。この反応を用いるときのポイントは、それぞれの酸の強さです。芳香族化合物の場合は、官能基で酸の強さが決まります。

  

  塩酸 HCl > スルホン酸 SO3Hカルボン酸 COOH > 炭酸CO2 フェノールOH

  

  上の不等式を覚えておくことで、酸の塩と酸を混ぜたときに反応が起こるか起こらないかの判定ができます。センター試験の正誤問題に次のようなものがあります。ほぼ毎年出ている問題です

  

  「炭酸水素ナトリウム水溶液に、酢酸を加えると、二酸化炭素が発生する」(2004 センター試験、1998 センター追試験)

  「ベンゼンスルホン酸とサリチル酸とではサリチル酸の方が強い酸である」(2007 センター追試験)

  「フェノールに炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると、気体が発生する」(2006 センター試験)

  

  一問目は○ですね。二問目はスルホン酸の方が強い酸なので、×です。三問目は、明らかに×です。フェノールはこれらの中で最も弱い酸ですから、弱酸生成反応は起こせませんね。これまでの内容をまとめると、次のようになります。

  

  フェノールは炭酸よりも強い酸、他方、安息香酸などのカルボン酸は炭酸より強い。よって、炭酸水素ナトリウム水溶液にカルボン酸を加えると、弱い酸である炭酸が追い出されて炭酸ガス(二酸化炭素)が生じるが、炭酸水素ナトリウム水溶液にフェノールを加えても反応しません。したがって、炭酸水素ナトリウムを使えば、カルボン酸とフェノール類の区別ができます。

 

  

  芳香族化合物の大枠について説明しました。まだ入試問題が解けるレベルではありませんが、覚えるときの軸をつくることができました

C、H、O による化合物を学ぶ(有機化学の勉強法 step1)
構造決定の問題を何回も解く(有機化学の勉強法 step3)

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