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有機化学の勉強法(その3)

 

Ⅲ.構造決定の問題を何回も解く。

 実戦を意識した最後の仕上げになります。構造決定の問題(以下、構造決定と略)には、有機化学の全てが詰まっています。すなわち、「構造決定が解けることは、有機化学で得点できる」とほとんど同じ意味をもちます。アルカン、アルコール、アルデヒドのそれぞれの官能基の性質はもちろん、異性体についても十分に把握できなければ、構造決定は解けません。構造決定は有機化学の最終試験といえます。

 

 「そうは言っても、有機化学はまだ完璧じゃないし、構造決定を解くのはまだ早い気が・・・」という状況でも、あなたは構造決定を解くべきですまず、二次試験で構造決定はものすごく出るからです(例:東大の構造決定)。有名私立、国立の二次試験の問題のほとんどは大問3問から成っていて、その内の1つが有機化学です。そのほとんどが構造決定です。ゴールを意識しない努力ほど報われない努力はありません。まず、構造決定というゴールを見ましょう。

 

 次に、構造決定を解けば解くほど、自分の知識が不足していることが実感できます。だから解かないといけません。官能基の性質を覚えるのは、はっきり言ってめんどくさい作業です。「ヨードホルム反応、銀鏡反応…だから何?」と感じたあなたは、間違っていません。だからこそ、「この知識はここで使うのか!」と実感する経験が要ります。構造決定を解けば、それを実感できます。官能基による反応を知っていないと、絶対に解けません。

 

 

 くり返しますが、構造決定は有機化学の全てが詰まっています。有機化学の全てを総動員しないといけませんが、解くときの大きな流れはもちろん必要です。それが、次の3つのstepです。

  

step1.元素分析で組成式を決める。

step2.異性体の種類をおさえる。

step3.官能基による性質と反応を覚えておく。

 

 「step1.元素分析で組成式を決める」は、計算のやり方をマスターしておきます。問題を解くときに実際に計算をするので、これまでの有機化学の勉強とは少しやり方がちがいます。ここは算数の意識で取り組んでください。「step2.異性体の種類をおさえる」は、この後で詳しく解説します。「step3.官能基による性質と反応を覚えておく」は、こちが詳しいので参考にしてください。

 

  

異性体の種類をおさえる

  

 分子式は同じでも、構造の異なる化合物が2種類以上存在するとき、それらの物質を「異性体」といいます。これは大きく2つに分けられます。「構造異性体」と「立体異性体」です。「立体異性体」には、「幾何異性体」と「光学異性体」の2つがあります。基本中の基本が、次になります。


構造異性体 …分子式が同じでも分子の構造がちがう
幾何異性体…シスとトランスの関係にある
光学異性体…不斉炭素原子をもつ
  

 「立体異性体」は、構造を立体的に見ないと異性体がどうかわからないものです。ただし、立体異性体という言葉よりも、「幾何異性体」、「シス・トランス」、「光学異性体」、そして「不斉炭素原子」という言葉の方がよく出てきます。これらの言葉を絶対に覚えてください

 

 では、「構造異性体」「幾何異性体」「光学異性体」のポイントをおさえましょう。まず、おさめるべきは「構造異性体」です。この順で勉強してください。

 

 

「構造異性体」

 分子式が同じでも分子の構造がちがいます。 物理的・化学的性質は異なります。①炭素骨格のちがい(例)ブタンと2ーメチルプロパン、②官能基のちがい(例)エタノールとジメチルエーテル、③官能基の位置のちがい(例)1ープロパノールと2ープロパノール。よく出るのは、C4H10O(7種類)、C5H12O(14種類)などで、これらが書けるようになればOKです。

「幾何異性体」

 シス形とは、二重結合があって、その二重結合の両側のCについている官能基どうしが、近いところにある場合を言います。また、同じ条件でも官能基どうしが遠いところにある場合は、トランス形。例)マレイン酸とフマル酸

 

「光学異性体」

  不斉炭素原子をもっていると、光学異性体があります。異なる4つの原子または原子団と結合した炭素原子を、不斉炭素原子といいます。光学異性体の特徴は、①物理的・化学的性質はほとんど同じであること、②偏光面を回転させる方向が異なることです。問題文では「物質○○は、不斉炭素原子をもつ」とか「物質○○は、偏光面を回転させた」などと書かれています。例)乳酸

 

 


  

  

 これで有機化学の勉強法は、おしまいです。ポイントは全て伝えました。有機化学の勉強法(その1その2)と合わせて、チェックシートとしてお使いください。参考書や問題集を進めながら、勉強法を何回も振り返ることで自信もつけられますし、勘違いも防げます。  くり返しますが、構造決定を解けば、知識不足を実感できます。そのときは、有機化学の勉強法(その1その2)に戻って復習です。そうやってグルグルといったりきたりしていれば、「有機化学てそういうことか!!ただのパズルだ。」という感想を必ずもてるようになります。そうなれば、あなたは有機化学について何も恐れることはありません。ぜひ、そこまで到達してください\(^^)/

C、H、O による化合物を学ぶ(有機化学の勉強法 step1)
芳香族化合物を学ぶ(有機化学の勉強法 step2) 有機化学の勉強法

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